ベースボールグリップでどんなことができるのか、どんな動きをしたら僕に合うのか、そういうのは自分で球を打っていかなきゃ分からない。たとえばこれを毎日100球、200球打って、指が耐えられるのか、対応できるのか。それも知らなきゃいけない。それに、しばらく練習を重ねてない体が練習に対応できるのか、できないのか。すべて見なきゃいけないんで。いわば、丸山茂樹ツーみたいな感じですかね。もうワンは完全に捨てなきゃいけないんで。ワンを抜くのはもう絶対に無理なんですけど、少しでもゴルフのできる体にしたいなという思いを持ってます。

 ミート率がめちゃくちゃ悪いんですよ。どう振ったらヘッドがどう動くのかが、まったくつかめてないんです。えっ、という球が出るんですよ。そう思えばまっすぐいったり。そこを自分のものにしなくちゃいけない。あとマメも全然違うところにできるんで、右手がボコボコになっちゃうんですよ。そういうのも、一からやり直しです。

 シニアへ移行する50歳までに、なんとか習得できたらと思います。これはもう、すごい夢です。でもいつも夢を持って生きてきたんで。夢を持ってた方が生きがいがあるという実感があります。まあ、ほんとに小さな希望ですけどね。

 さて今年、日本のゴルフファンが待ち望むのは松山英樹(25)のメジャー初制覇です。一番の目玉商品ですから、そこはもう期待したいですね。

 まずは4月のマスターズ。優勝に手の届くところまできてるのは間違いないから、あとは何が必要なのか、自分が一番分かってるでしょう。栄冠に近づくだけでなく、つかめるように、持ち上げられるように頑張ってもらいたいですよね。

週刊朝日 2018年1月19日号

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丸山茂樹

丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

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