「大豆はたんぱく質が豊富です。米と野菜だけだと不足するたんぱく質を、日本人は昔から大豆とその加工品で補ってきました。現代でも、高齢になるほど肉や魚を食べない人が多く、たんぱく質が不足しがち。大豆とその加工品は積極的にとり入れたい食品です。節分に豆を年の数だけ食べるのは、年齢を経るほど必要になる栄養素を補ってくれるからなんです」

 日本食品標準成分表(七訂)によると、大豆(国産、乾)は可食部100グラムあたり、たんぱく質が33.8グラム含まれる。厚生労働省が推奨する1日のたんぱく質摂取量は、18歳以上の男性が60グラム、女性が50グラム。大豆の含有量の多さがよくわかる。

「たんぱく質のバランスだけを評価すれば、肉や魚、卵や牛乳も優れています。ただ、大豆は、シニア世代が特にうれしい『おまけ』を多く含んでいます。生活習慣病を防ぐレシチン、サポニン、イソフラボンなどの栄養素です」(本多さん)

 レシチンは、アルツハイマー型認知症や動脈硬化を防ぐ効果があり、肝機能向上や美肌効果も期待できるとされる。サポニンは肥満予防に加え、抗酸化作用がある。老化や生活習慣病のもととなる活性酸素の発生やその働きを抑えてくれるメリットがある。

 女性は年をとるにつれ、女性ホルモンのエストロゲンが減り、骨粗鬆症になる可能性が高まる。イソフラボンはエストロゲンと似た働きで減少を補ってくれ、予防や改善に効果的だという。(森田悦子)

週刊朝日  2018年1月19日号より抜粋