香取:少し興味はあります。文章を書くのも好きです。ぼくは絵もそうですが誰かに習ったということがありません。最近、専門の人から「その筆よりこっちの筆を使ったら効果が出る」とか、「絵の具も別の種類を使うといいよ」と聞いてすごく幅が広がりました。

橋田:私が香取さんと仲良くなったのはタモリさんの「笑っていいとも!」ですが、その前に一度スマップの番組に出たことがあります。「おしん」を書いた脚本家と紹介されたら、「『おしん』を書いた人が生きているの?」とメンバーの誰かに驚かれた。よほど過去の人が書いていたと思われていたのね(笑)。

香取:ぼくは「笑っていいとも!」に約20年出させていただきました。タモリさんはいるし他に芸人さんがたくさんいてぼくは何もしないほうだった。

橋田:私も遊びに行っていただけで何もしなかった。

香取:芸人さんは初めての方でもすごい勢いでしゃべる。ぼくは橋田先生が来てくれて、自分のスピードと同じだったので安心できました。ぼくの中では橋田先生は、ゆったりした「いいとも」を作ってくれた方で、感謝しています。

橋田:出演は毎週月曜日でした。脚本をそれまでに書かないといけない。ひとつの区切りになって生活のリズムができた。そのうちに仕事に追われて無理になりましたが。

香取:リズムでいうとぼくも月曜日に「いいとも」があって、新宿アルタに着いてこれから1週間始まるぞという気持ちになった。それが終わって、ぼくは週の終わりに「SmaSTATION!!」という番組もやっていたのですが、それも終了しました。最近はいつが何曜日でというのがわからなくなってしまった。

橋田:お辞めになってから新しい仕事で忙しくなったでしょう?

香取:初めてのことがこんなにあるんだとは思います。今日、朝日新聞社に来るのも初めてでしたし。

(構成/山本朋史、本誌・工藤早春)

週刊朝日 2018年1月19日号より抜粋