夫:車を運転してて、中央分離帯にぶつかればすぐ死ねる、と思って、ハンドルを切ろうと何回も思った。

妻:2、3年、大変だった。

夫:最終的に逆流性食道炎だとわかって、楽になった。心筋梗塞と似たような症状が出るらしいんです。これを治せばなんとかなる、と思えて、救われた。

妻:今度は自分がこの人を支えよう、と思ったんです。そのとき自分の手の中にあるパーツは日々の暮らしに関するものだけ。家事を楽しむ一つの方法としてやってた“お花”を見ていた友人が「やってみたら」と言ってくれた。

――妻は、2001年に自宅でフラワーアレンジメント教室を開いた。

妻:自分も、旦那さんに依存し、子供に依存する母親じゃなく、好きなこと、やりたいことを見つけなきゃと思ったんです。子供に「何か好きなこと、やりたいことを見つけなさい」と言って育ててましたからね。で、遊びながら研究していたお花にやりがいを感じて、もっとやってみたらどうかなと思ったときと、彼が「清美さん、もっとやったらいいじゃない」と言ってくれた時期が重なった。

夫:教室を開いて15周年。パーティーも開きました。

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