「自覚症状がないとはいえ、体内ではウイルスを排除するための免疫反応が起きているため、全身倦怠感など、なんらかの症状が出ていることがあります。実際にウイルスを除去すると『よく眠れるようになった』『食欲が出てきた』『疲れにくくなった』など、体調の改善を自覚する人は少なくありません。QOL向上のためにも、できるだけ早くウイルスを除去するほうがいいのです」(同)

 ウイルスを除去すると、肝がんになるリスクは下がるが、それがゼロになるわけではない。特に高齢者や肝硬変、脂肪肝、糖尿病がある人、飲酒をする人はリスクが高い。治療後もリスクの高さに応じた定期的な検査が不可欠だ。

 C型肝炎の治療は短期間で飛躍的に進歩したため、医師でも最新治療の情報に追いついていない場合がある。C型肝炎の治療に詳しいかどうかは、日本肝臓学会が認定する肝臓専門医であることが一つの目安になる。「肝疾患診療連携拠点病院」に設置されている肝疾患相談センターで医療機関を紹介してもらうことも一つの方法だ。(ライター・中寺暁子)

週刊朝日 2018年1月5-12日合併号より抜粋