家族から悲鳴が上がるようになってからでは、手遅れです。個別自治体だけで対応するのは難しいでしょうから、早急に東京が音頭を取って1都3県が協力して対策をはじめるべきです。東京の杉並区が18年3月、全国で初めて静岡県の伊豆に区域外特別養護老人ホームを開設しますが、このように静岡・山梨あたりまでを視野に入れて施設を考えればいい。介護人材は、根気強く地方に働きかけて来てもらうしかないでしょう。

 それと東京圏は企業も多いので、企業の中枢で働く40~50代のサラリーパーソンが介護離職することがないような体制づくりをお願いしたい。大企業の人事関係者に聞くと、「なぜ、あの人が……」というような優秀な人が介護が原因で辞めていく例が目立つといいます。経済的なロスを防ぐ意味からも、早急に対策を考えるべきです。

週刊朝日 2018年1月5-12日合併号