【4位】高橋山×栃湊/昭和54年九州場所

 幕下力士だった高橋山と栃湊。2人ともガラ(細い)で左四つ。足腰が強靱で投げに強い。相四つで立つとすぐに四つに組み、正面西寄り角で投げの打ち合いで勝負が決まり、パッと軍配を上げたが「これは物言いつくな」と思ったんです。5人の審判が「取り直し」と即決です。2番目を取ったら、また同じところに行って投げの打ち合い。今度は少~し掛けたほうがいいかな、と軍配上げたら、また物言いで取り直し。

 3番目ともなると、気を入れて見てるんですが、また同じ位置へ行って投げの打ち合いです。今度は自信があったんですが、また物言いがついて取り直しに。さすがに4番目になると2人とも息があがって立ち、なんと、また同じところで投げの打ち合い。どちらかが取り口を変えれば一瞬で勝負つくのに、2人とも自信があるから、投げの打ち合いになる。今度はいいだろうと軍配を上げたらまた物言いで、「微妙だから、もう一番」って5番目に。

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