次なる衝撃は、三年のときの担任のひと言。

「誰だっけ?」

 学級委員で、成績優秀で、品行方正だったヤマダです。「ヤマダの横辞書鞄」(辞書が横向きに入る)と不良連中におちょくられながらも、決して鞄を潰そうとはしなかったヤマダです。

 あれほど担任の寵愛をほしいままにしていたはずなのに、当の担任が大センセイを忘れてしまうなんて。

 しかも、あろうことか元担任氏は、学級委員の手を煩わせてばかりいたワルのひとりと再会するや否や、

「おお、懐かしいな。お前、かわいい奴だったなー」

 とか言っちゃってるんである。なんたる不条理!

 さらに驚愕すべきは、この大同窓会の幹事団が、かつてのワルたちによって占められていたことである。

 幹事を代表して挨拶をした元バレー部のS君もその一人。しかも彼は、地元自民党青年部の代表かなんかを務めているというから、大センセイもうびっくりしちゃって、それこそ「なんで?」という気分であった。

 そして……。

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