同窓会に行く動機とは、いったい何だろうか (※写真はイメージ)
同窓会に行く動機とは、いったい何だろうか (※写真はイメージ)

 SNSで「売文で糊口をしのぐ大センセイ」と呼ばれるノンフィクション作家・山田清機の『週刊朝日』連載、『大センセイの大魂嘆(だいこんたん)!』。今回のテーマは「人はなぜ同窓会に行くのか」。

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 同窓会に行く動機とは、いったい何だろうか。

 表向きは「旧友と再会して旧交を温めたい」といったところだろうが、初恋の人に会ってみたいとか、かつての友人がどう変化したのか見たいといった辺りが大方の本音ではないか。

 いずれであるにせよ、大センセイのように人生の早い段階で毛髪を喪失した人間にとって、同窓会はなかなかに厳しい場である。

 これまでで最もハードだったのは、不惑に開催された中学校の同窓会であった。

 200人以上が集まったこの大同窓会で、最初にキツイ一発を食らわしてくれたのが、吹奏楽部の同期生のHさんだった。彼女、大センセイの頭頂部あたりにしばし視線を泳がせた後、

「なんで?」

 と、ひと言だけ呟いたのだ。なんでって言われてもなぁ……。

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山田清機

山田清機

山田清機(やまだ・せいき)/ノンフィクション作家。1963年生まれ。早稲田大学卒業。鉄鋼メーカー、出版社勤務を経て独立。著書に『東京タクシードライバー』(第13回新潮ドキュメント賞候補)、『東京湾岸畸人伝』。SNSでは「売文で糊口をしのぐ大センセイ」と呼ばれている

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