岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office

 動物写真家・岩合光昭さんが見つけた“いい(こ)”を紹介する「今週の猫」。今回は、京都・祇園の「はんなり猫」です。

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 祇園の老舗料亭に3匹のメス猫が暮らしていると聞いて訪ねる。縁側でくつろぐ白サバのハナを撮影していたら、どこからか視線を感じた。振り向くと座卓の下からこちらを誰何(すいか)する、子猫のチナがいた。

 黒と茶のサビ模様が美しいチナは、なかなかにフォトジェニックなのだが、カメラの前に出てきてくれない。いつも少し離れたところから、こんなふうに見ている。

 人懐っこいので臆病ではない。「はんなり」という言葉がこのうえなく似合う、恥ずかしがりやの京美人だった。

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デジタル岩合 http://www.digitaliwago.com/

週刊朝日 2017年12月29日号

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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