綿矢:私にとっては(笑)。癒やし系というか、雰囲気的には沖縄のシーサーに似てるかな。地黒で笑顔の明るい人です。林先生も出版界とは関係ない方と結婚されたんですよね。
林 そうです。うちも理系で、本も読まないような人がいいなと思って。ご主人、本は読みます?
綿矢:まったくです。
林:うちもそうですよ。それはいいんですけど、理解がなくて、作家がどんなに大変かまったくわかってくれないんです。「なんで出歩いてばっかりいるんだ」「なんで夜、人と会わなきゃいけないんだ」……。
綿矢:女の人は家にいてほしいという感じですか。
林:そう。綿矢さんのご主人は理解あります?
綿矢:「妻として」みたいな厳しい感じはないですけど、お互いの仕事をまったくわかり合えてなくて。私は夫の仕事の話を幼稚園レベルでしかわかってないから、うなずいて聞いてるし、夫もこっちのことぜんぜんわからないので、あまり追及しないですね。新しい世界が広がっておもしろいです。
林:家事は分担しているんですか。
綿矢:そうですね。家事は夫も得意なので、やってもらっています。
林:そこもうちとはまったく違うところですね。
(構成/本誌・直木詩帆)
※週刊朝日 2017年12月29日号より抜粋