怒りの収まらない日馬富士は、近くにあったボトルを振り上げたが、これをとり落とし、今度はカラオケのリモコンを手にする。それを見た白鵬は、「物を持たないようにしましょう」と声をかけて止めたが、間に合わず、日馬富士は貴ノ岩の頭をリモコンで数回殴打。ここで白鵬が日馬富士の手を押さえるなどして止め、ようやく日馬富士を引き離したという。

 以上のような経緯から、日馬富士の暴行を直ちに止めなかった白鵬の責任を重く見たのが、今回の処分の理由と言えそうだ。暴行当日の力士たちの生々しいやり取りがかなり詳細に明らかになってきた。貴ノ岩は19日、相撲協会による聴取に応じ、「礼を失する行為はしていない」と主張しているという。貴乃花親方の意見は今回の報告書に反映されていない。関係者が処分に納得してこれで“一件落着”となるかは、甚だ不透明だ。(本誌・小泉耕平)

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