妻:40代って、女性にはいろいろあるから。更年期もあるし、衰えていく肉体に直面しないといけないし。

夫:そのことがあってから、僕は彼女のサポートを心がけるようにした。仕事から帰ってから、家で彼女の写真をチェックしたり、音源をチェックしたり。「干渉はしないけど、相談されたら徹底的に応える」をモットーにしたんです。

――その甲斐あってか、妻は14年に「野宮真貴、渋谷系を歌う。」を発表し、シンガーとしての方向性が明確になった。エッセーや口紅のプロデュースなど、活動の幅も広がってきた。

妻:彼はいままで私以外のアーティストをずっとプロデュースしていたけれど、私のことも、オフの時間を使ってそういうノウハウで見てくれるようになったんです。

夫:多少は僕の内助の功があったのかなと(笑)。彼女の活躍は僕自身の仕事の刺激にもなりますから。いまでは彼女自身が、自分の監督になってきていると思うんです。

――結婚21年。お互いに違いを感じたり、ハッとしたりすることはまだまだある。

妻:大きいのは「時間の観念の違い」かなあ。私は慌てるのがいやなので、出かけるときも早め早めに行動するんですけど……。

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