だが、巡業部長が貴乃花親方にバトンタッチされてから、巡業先での雰囲気がガラッと変わったという。

「貴乃花親方自身が、巡業先の宿泊ホテルから外へ出ないんですよ。ホテルの中で、食事したり、温泉に入ったりして過ごしている。巡業部長ですから、誰がどのホテルに泊まっているか、どこへ出かけているかということもある程度、情報が入りますね」(勧進元)

 貴乃花巡業部長の下になると、巡業地となった地元では夜、タニマチが力士らを外に連れ出すのも遠慮しながらになったという。

「何度か力士を誘い、外へ食事に行こうとして、イヤな思いをしました。貴乃花親方は何も言わないが、どこへ連れていくんだ、という目で見るんです。白鵬は誘われれば失礼のないようにお付き合いをします。お酒もけっこう飲み、陽気になりますね。そんな白鵬を迎えにホテルのフロントへ行っても、貴乃花親方と出くわすと、申し訳ないような気分にさせられました」(同)

 白鵬は冬巡業前に「貴乃花巡業部長の下では冬巡業には参加できない」と発言し、九州場所での言動では「横綱の品格にかかわる言動」と、物議をかもした。

「貴乃花親方が巡業部長になってから、力士たちにもストレスがたまっていたという背景もあったかと思います」(同)

(本誌・上田耕司)

週刊朝日 2017年12月22日号

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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