――監督は、シリーズ中に好きな場面はたくさんあるけれど、エピソード6「ジェダイの帰還」のラストシーンが最も印象的で好きだとおっしゃっています。その場面は、何か最新作「最後のジェダイ」にも影響を与えていますか?

 ルークと皇帝とダース・ベイダーの場面。皇帝と切り結ぶルークの手からライトセーバーが弾き飛ばされてしまったとき、敵だったはずの父親が身代わりになって皇帝から彼を救う、というシーンだね。
直接的に影響を与えた場面はないけれど……でも、あのシーンには、善と悪、贖罪と天罰といった、非常に重いテーマが込められていて、とてもスペースオペラ的だと思うんだ。スター・ウォーズは、常にスペースオペラ的でありながら、同時に、風船ガムとかソーダ水みたいなポップさを持っている。僕はその、重いオペラと、軽いソーダ水のバランスがとても大事だと思っているから、そういう意味では、今回の作品づくりに影響していると言えるかな。

――つまり監督は、ユーモアや笑いも大事にされているということですか? じつは、冒頭の数分だけ「最後のジェダイ」の映像を見せていただいたのですが、とてもシリアスな展開が続いて、手を握りしめたり息を呑んだりしているというのに、3回も声を出して笑ってしまいました。

 それはよかった! 僕は、人々が笑ってくれるのがとってもうれしいんだ。でも、他の言語になると、翻訳の問題もあるし、文化の問題もあるし、意図がきちんと伝わるかは難しいと思ってる。だから、君が可笑しいと感じてくれたってことが、すごくうれしい。
僕はいつだって、楽しい映画にしたいんだ。だって、スター・ウォーズだよ? もしスター・ウォーズで楽しめなかったら、いったい何なら楽しめるって言うんだ?(笑)

――公開が楽しみでなりません。最後に、日本のファンにメッセージをお願いします。

 知っての通り、ジョージ・ルーカスは、日本の文化に影響を受けていたから、日本はスター・ウォーズのルーツとも言えるし、いまでもその影響は作品に息づいていると思う。僕は心から、日本のファンが楽しんでくれることを願っているよ。(取材・構成/伏見美雪)

※週刊朝日オンライン限定記事