「国民を支配しやすい」憲法を学んだ大工が危惧する「自民改憲草案」

週刊朝日
明良佐藤(あきよし・さとう)/1943年、東京生まれ。40歳で栃木県茂木町に移住。「戦後カレンダー」は朝日新聞「天声人語」でも紹介された。著書に憲法の先進性を描いた『八月十五日のうた』(随想舎)
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明良佐藤(あきよし・さとう)/194...

 改正の是非が論議されている憲法9条。その内容はいまや広く認知されているが、他の憲法をみてみると意外なことばかりだというのは、8月15日に新しい年が始まる「戦後カレンダー」を1984年からつくり続けてきた栃木県茂木町の明良(あきよし)佐藤さん(74)だ。現在の憲法は当時の日本政府がGHQ(連合国軍総司令部)から憲法案をつくるように指示されたものの、明治憲法と変わらないものを作成。そのため、GHQ側が憲法案を考案するように。それから日本政府との交渉が行なわれ、今の憲法が生まれた。しかし、専門家でない人々は何も知らないのが現実。明良さんは憲法を学ぶ必要性を指摘する。

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 まずは三十七条二項。「刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する」

 この条文をしっかり読みましたか。ほんとにびっくり! このような条文が憲法にあったのかと、私はうなりました。

 いままでたくさんの刑事ドラマを見てきましたが、このような権利を行使する被告人を見たことがありません。多くの被告人は、検察官と弁護士のやり取りの間で小さくなっているだけです。それだけ、この憲法の中身が知らされていない。教育されていないということです。

 無実で逮捕された人が、この条文を知っていれば、必死になって証人を審問し、それでも足りなければ、あらたな証人を公費で強制的に呼び寄せます。それが冤罪を防ぐのです。いま獄にいる冤罪の人は、この条文を知ったら悔しがるでしょう。

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