■2.5次元ミュージカルで人気の佐藤流司に密着

 原作の世界観を崩さないように舞台化する2.5次元ミュージカル俳優に求められるのは自分らしさよりも、いかに原作のキャラクターに自分を寄せられるかだ。常に自分らしさを発揮することが求められる俳優にはそれが苦手な人もいる。

 だが、ミュージカル『刀剣乱舞』で加州清光を演じる佐藤流司は、それを得意だという。

「2.5次元を多く演じてきた僕は、自分を2次元の側に寄せて演じるほうが得意なんです」

 佐藤のこの才能は、マルチな活躍の源泉となる。つまり、ドラマでは役柄に寄せ、音楽活動ではミュージシャンという役柄を、バラエティーに出れば求められる役柄を演じる。

 ゆえに、2.5次元ならぬ“3次元”へと活躍の場を広げ始めている佐藤の活動に密着した。

“3次元”俳優として、連続テレビドラマ「御茶ノ水ロック」(1月スタート)の主演が決定。すれ違ってしまった兄弟の絆を中心に武道館を夢見てバンド活動にかける男たちの青春を描くドラマ。複雑な心理描写が求められる役柄だ。

「カット!」の声がかかると台本をチェックして、動きを加えながら1人シミュレーションする。本番でNGがかかることがほとんどなかったのはさすが。また、「ファ~ック!」よりも「ジーザス!」のほうが自然だと、セリフのアイデアも積極的に提案。演出家もその意見に賛成して、セリフは変更された。

 早朝から深夜までのハードな撮影スケジュールでも疲れを見せず、笑顔を絶やさない。撮影の合間には共演者や製作スタッフと談笑する。
ドラマと連動で3月には舞台化もされるという。

 この役柄を超えて、実際にミュージシャンとしても活動を開始。「The Brow Beat」というバンドプロジェクトで、1月1日には1stアルバムが発売される。1月17日の仙台を皮切りに初のツアー「The Brow Beat Live Tour 2018 “Ragnarok”」が開催される。

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