2.5次元ならぬ“3次元”の連続テレビドラマ「御茶ノ水ロック」(1月スタート)の主演が決定。3月にはドラマと連動で舞台化も(撮影/遠崎智宏)
2.5次元ならぬ“3次元”の連続テレビドラマ「御茶ノ水ロック」(1月スタート)の主演が決定。3月にはドラマと連動で舞台化も(撮影/遠崎智宏)

 チケットはあっという間に完売。ゲームやアニメ、漫画を原作とする舞台、いわゆる「2.5次元ミュージカル」が大人気だ。

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 11月11日、東京ドームシティホールで行われたミュージカル「『刀剣乱舞』~つはものどもがゆめのあと〜」を見にきた20代女性2人組は、「いつもなかなかチケットが取れずに悔しい思いをしていたけど、今回は奇跡的にチケットが取れた」と嬉しそうに会場に入っていった。

「2.5次元ミュージカル」とも呼ばれるゲームやアニメ、漫画など2次元の作品を原作とした舞台の人気が過熱している。一度見た人がその世界観に魅了されリピーターになることが多く、チケット争奪戦まで起きている。市場規模は右肩上がりで、昨年は約130億円に達した。

 なかでも突出しているのが、流行語大賞にもノミネートされた『刀剣乱舞』のミュージカルだ。原案は同名のゲームで、名だたる刀剣が戦士の姿になった「刀剣男士」たちが主命を受けて敵と戦う。このゲームから“刀剣女子”なる言葉も生まれたほどだ。

 ミュージカル『刀剣乱舞』のステージは2部構成で、1部がミュージカル、2部がライブ。一粒で二度おいしい約3時間半の公演が若い女性を魅了する。

 いわゆる「2.5次元ミュージカル」は、2003年に上演されたミュージカル「テニスの王子様」が火付け役。もちろん、当時は「2.5次元ミュージカル」などという言葉はなかった。累計5700万部を売り上げた「週刊少年ジャンプ」の人気漫画が原作とはいえ、舞台化は困難といわれていた作品だ。

 公演初日の客の入りは悪かった。しかし、舞台を見て感動したファンの口コミから人気に火がつき、売れ残っていたチケットが完売、追加公演も決まった。

「前例がなかったからこそ実験的なこともでき、結果としてオリジナリティーあふれる面白いものができた」というのは、このほど『2.5次元舞台へようこそ』を著したおーちようこ氏だ。

 新たな才能が集まり出した2.5次元ミュージカルは人気漫画が原作の「弱虫ペダル」「NARUTO」、そして「刀剣乱舞」で花開いたのだ。

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