アルバムについて、グレン・フライは「俺たちの未来は、俺たちがどうやって自分の人生を生きるかにかかっているってことをみんなに伝えたかったんだ」。ドン・ヘンリーは「60年代の終焉、70年代に入って僕らが体験することになった、退廃と現実逃避について表現した。このアルバムは無感動や無関心という状態から、人々を覚醒させようという試みだった」と語っている。

 今回の40周年記念盤は3種類ある。『40周年記念エディション』はリマスター盤CDのみ。『エクスパンデッド・エディション』には76年の未発表ライヴ10曲入りCDが付く。『デラックス・エディション』はボックス仕様で、アルバム本編のハイレゾのステレオ音源と5.1ミックスを収録したブルーレイ・ディスクが付いている。

 当時の映像を求めるファンには、イーグルスの足跡をたどったドキュメンタリー『駆け足の人生~ヒストリー・オブ・イーグルス<デラックス・エディション>』(2013年発売)もお薦めしたい。77年の“ホテル・カリフォルニア・ツアー”での8曲のライヴ映像は見逃せない。(音楽評論家・小倉エージ)

●『ホテル・カリフォルニア:40周年記念エディション』(ワーナー WPCR-17965)
●『同エクスパンデッド・エディション』(同 WPCR-17963/64)
●『同デラックス・エディション』(同 WPZR-30781/83)=12月20日発売

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小倉エージ

小倉エージ

小倉エージ(おぐら・えーじ)/1946年、神戸市生まれ。音楽評論家。洋邦問わずポピュラーミュージックに詳しい。69年URCレコードに勤務。音楽雑誌「ニュー・ミュージック・マガジン(現・ミュージックマガジン)」の創刊にも携わった。文化庁の芸術祭、芸術選奨の審査員を担当

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