東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝
東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝
2008年以降優勝から遠ざかっている西武にとって、精神的支えとなるに違いない(c)朝日新聞社
2008年以降優勝から遠ざかっている西武にとって、精神的支えとなるに違いない(c)朝日新聞社

 西武ライオンズの元エースで監督経験もある東尾修氏は、西武と選手兼テクニカルコーチとして契約した松井稼頭央外野手への思いを語った。

【西武のユニホーム姿を披露した松井稼頭央】

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 松井稼頭央が、2003年以来15年ぶりに西武に復帰した。私が西武の監督を務めていた時に稼頭央がレギュラーを獲ってから、20年以上たつかな。来年で43歳を迎えるが、なお現役への熱意が薄れない。本当に野球が好きな男だと思う。

 楽天は選手としてより、むしろ指導者として来季を考えていたという。本人は相当悩んだと思うよ。野球を辞めてからの人生のほうが長い。今の1年、1年の現役にこだわるだけでなく、野球を辞めてから、どうやって野球に関わっていくかまでビジョンを描かなきゃいけない年齢だからね。

 毎年のことだが、シーズン終了時には電話で「今年も1年間終わりました」と連絡をくれる。いつだったか、いつものように電話をもらったが、その時にも「自分の人生を考えて……」とだけ話した。いくらこちらがアドバイスしても、決めるのは本人。それでも現役にこだわって決断したのだから、目いっぱい戦い抜いてもらいたい。

 西武にとっても、プレーだけでなく、彼の経験値は非常に大きな戦力となるはずだよ。外野陣を見ても、絶対的レギュラーは秋山くらい。若手外野手を使うだろうが、1年間の中では必ずチャンスが回ってくるし、その時への準備はしていくはずだ。加えて、若い選手が多い西武にあって、40歳やそれを超えてまで現役でいるために何が必要なのかを身をもって知っている存在は、勉強になる。試合への準備のために、日々何をすべきか。それを伝えていくことも必要になるだろう。

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東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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