AERA dot.

津田大介「責任逃れができなくなった『まとめサイト』」

連載「ウェブの見方 紙の味方」

このエントリーをはてなブックマークに追加

津田大介(つだ・だいすけ)/1973年生まれ。ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。ウェブ上の政治メディア「ポリタス」編集長。ウェブを使った新しいジャーナリズムの実践者として知られる。主な著書に『ウェブで政治を動かす!』(朝日新書)

津田大介(つだ・だいすけ)/1973年生まれ。ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。ウェブ上の政治メディア「ポリタス」編集長。ウェブを使った新しいジャーナリズムの実践者として知られる。主な著書に『ウェブで政治を動かす!』(朝日新書)

「まとめサイト」の新たな司法判断について解説(※写真はイメージ)

「まとめサイト」の新たな司法判断について解説(※写真はイメージ)

 被告は「インターネット上の表現は、従来型のメディア上の表現と比較すると、誰もがその発信主体となり得るため、一般の読者には信頼性の低い情報と受け取られるし、これにより一定程度名誉が毀損されても、被害者はインターネット上の反論によりその回復を図ることが可能である」と主張していたが、判決では明確に否定された。

 もう一つの大きなポイントは、まとめサイトという形式について法的責任を認めたことだ。

 判決では「本件各ブログ記事は、引用元の投稿を閲覧する場合と比較すると、記載内容を容易に、かつ効果的に把握することができるようになったと言うべきである」と、まとめという編集転載行為に明確な責任を認めている。

 今までこうしたサイトを運営する側は「信頼性の怪しいネットの書き込みだから」「情報をまとめただけだから」といった論理で編集責任を逃れてきた。そうした言い訳が司法の場で明確に否定された。

 まとめサイトといえば、11月13日に放送されたNHKの「クローズアップ現代+」で大手まとめサイト「オレ的ゲーム速報@刃」の月間広告収入が700万円にも及ぶことが明かされ、話題を集めた。情報をゆがめてあおり、特定の勢力を攻撃するまとめサイトがなくならないのは、ひとえにリスクとコストがかからない「おいしい商売」だからなのだ。

 その意味で名誉毀損、侮辱罪を巡る民事訴訟で最高額に近い200万円という金額が認定された今回の判決には大きな意味がある。責任が明確化したことで今後はこうしたまとめサイトに対する訴訟も増えていくはずだ。

週刊朝日 2017年12月15日号


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

津田大介

津田大介(つだ・だいすけ)/1973年生まれ。ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。ウェブ上の政治メディア「ポリタス」編集長。ウェブを使った新しいジャーナリズムの実践者として知られる。主な著書に『ウェブで政治を動かす!』(朝日新書)

   津田大介 をもっと見る
このエントリーをはてなブックマークに追加