「健全な反抗期は、親から独り立ちするプロセスを指し、脳機能にプラスの作用を及ぼします。一方で『うつ』による暴走の根底にあるのは、親への依存の感情です。幼い子どもが大人を困らせ、自分が受け入れてもらえるかを見定める『試し行動』と同じです」(同)

「うつ」のサインは、まだまだある。

 模試や試験当日の朝など、大事な場面で、子どもが吐き気や頭痛、下痢、過呼吸の症状に襲われることはないだろうか。

「欠席が決まるとケロッと回復して山盛りご飯を平らげることも。仮病ではなく、痛みなどの症状を感じている。これは、脳機能が無意識に症状を作り出すのです」(同)

 試験前に徹夜で漫画を読む人がいるが、これは「セルフ・ハンディキャッピング」と呼ばれ、不利な条件にして試験結果の弁解を用意しようとする。同じことが「受験うつ」の症状でも起こりうる。吉田院長によれば、大学受験時の「うつ」の根っこは、中学受験時の本人の「過剰なプライド」と親の関わり方に起因しがちだという。

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