だが、やましたさんのお宅は、さらに少ない「見えない収納4割、見える収納3割、見せる収納1割以下」のように見える。とはいえ「寂しい部屋」という感じがしないのは、絵画や調度品、観葉植物など、生活を彩るためのモノが飾られているからだろう。

「よく誤解されるんですが、断捨離は極限までモノを持たない“ミニマリスト”とは違います。何もない部屋はつまらない。でも、多すぎれば維持管理に手間がかかって、モノを大切にできない。選び抜かれた最適量のモノだったら、たとえ散らかっても簡単に片づきます。私の家には、私の気分を萎えさせるようなものは一つもありません」

 判断基準は「何に使えるか」「どう使うか」ではなく、「これを部屋に置きたいか」「私はこれを使いたいか」で考えること。主役はモノではなく、空間であり、自分自身だ。

 ここで、やましたさんの厳選法の一部を紹介しよう。

●仕事着は6セット
 洋服は交感神経用(仕事着など)と副交感神経用(部屋着など)に分け、仕事着は6セット。毎月3セット手放し、3セットを買うサイクル。数年越しで着るワンピースもあるが、基本は「新鮮なもの」を持つ。積極的に着たいと思わなくなったら、潔く手放す。「人にもらってもらうにしても、早いほうがいいから」

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