北原みのり「樹齢150年の富山の大木が神戸で…」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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北原みのり「樹齢150年の富山の大木が神戸で…」

連載「ニッポン スッポンポンNEO」

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北原みのり氏が“命の問題”について筆をとる(※写真はイメージ)

北原みのり氏が“命の問題”について筆をとる(※写真はイメージ)

北原みのり氏が“命の問題”について筆をとる(※写真はイメージ)

北原みのり氏が“命の問題”について筆をとる(※写真はイメージ)

 あの時、坂東さんが放った挑発的な矢をまともにくらった人たちは、坂東さんの“覚悟”を絶賛していた。唯一、私がしっくりきたのは笙野頼子さんの批判だった。笙野さんは小説、または言論を通して坂東さんには命への祈りがない、近代的な法の感覚もないことを指摘し、動物虐待を肯定するような論調への警鐘を鳴らしていた。

 動物虐待するな、という正論を笑う人がいる。“お前は殺生したことないのか、肉食ったことないのか、絶対的な正義などない、人間は矛盾の生き物だ、自己の責任において命を考えなければいけないのだ!”などと、一見、複雑な意味ありげなことを言っているようにみえるが、その実、人類の積み重ねてきた歴史や、祈り、時、言葉を無きものにする暴力なのだ。

 あれから11年。坂東さんの猫殺しの重さに比べ、クリスマスツリーの軽さが、時代なのだろう。でも、私たちに突きつけられている問題はとてもよく似ている。命の問題に「どっちが正しいはない」はない、と私は思う。

週刊朝日 2017年12月8日号


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北原みのり

北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。作家、女性のためのセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」代表

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