「特に若い男性の美意識は高いですね」(同)

 かさかさ唇の男性はかっこ悪いと、30~40代男性も唇のケアが気になるそうだ。「チューしたくなる唇」を目指しお手入れするのは、女性だけではないのかも!?

 ここまでは有料のサロンの話。都内には、無料で10分美容サービスを行う店舗もあるのだ。今年6月に「マツモトキヨシ」が銀座にオープンした、新業態店舗「BeautyU」。ポイントメイクのアドバイスをしながら、10分の無料「メイク」サービスが人気で、アイブロウ、アイメイク、フェイス、リップの中から1部位が選べる。このほか有料だが、ジェルネイルを簡単に補修しケアする「ネイルリペア」もある。いずれも予約は不要だ。

 ジェルネイルは塗ったり剥がしたりするのに、時間もコストもかかるが、ここではネイル1本分が10分で補修可能だ。

 銀座のど真ん中。デート前に、ちょっとしたメイク直しや手元のネイルケアに利用できるのはありがたい。広報担当者によれば、リピーターがかなり増えているという。

 少し前まで、エステや癒やしなどの美容サービスは、「極上な空間で長時間」が人気だった。エステ=ご褒美だったからだ。

 それがここ最近、キレイを努力する「美容疲れ」が顕著となり、予算や時間を一度にまとめてかけずに、「日常的な美へ」という傾向が強くなった。たとえば、ご褒美に時々受けていた高価なヘッドスパ(頭皮スパ)を、毎月のカットに加えての10分ほどの簡易な「頭皮ケア」メニューに切り替えるようなもの。ご褒美やリラックスよりも、日常疲れを都度ケアしたいという表れだろう。もちろん時間も短縮できる。

 それにしても、時短勤務にレシピ、メイク、それにエステ……。空いた時間はどこで使おうか。バタバタと駆け抜けていく師走を目前に、立ち止まって考えてみたくなる。(本誌・大崎百紀)

週刊朝日  2017年12月8日号