大川村では結局、9月の定例議会で和田知士村長が「村民総会の調査・研究を中断する」と表明。当面は、村議会を維持するための取り組みに注力することになった。村が6~7月に18歳以上の全村民を対象に行ったアンケートで、今後の村議選に「ぜひ立候補したい」に4人、「課題が解決すれば検討」に20人の回答があったこともあり、19年の村議選は何とか乗り切れるとの見通しが強まったことも影響した。

 また、総務省が7月に「町村議会のあり方に関する研究会」を設置。総会の設置の可能性も含めて検討を始めたこともあり、国の議論を見守るという流れになった。和田村長がこう語る。

「国に制度をつくってもらわないと、調査研究のしようもない。職員数も限られており、村としては今は、議会を維持するための対策に集中したい」

 だが、これで問題が片付いたとは言えない。総会の検討を提言した朝倉議長がこう警告する。

「仮に次の議会が構成できたとしても、その次や、次の次の選挙はどうなるのか。村民総会を開くには、条例を定める必要がある。村議会が存続しているうちに条例を制定しておかないと、制度をつくることもできなくなってしまう」

 朝倉氏は村民総会の実現について知恵を絞るべきだと言い、こう続ける。

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