当選すれば企業の役員級 政治家を目指す「アラサー」男女のリアル

週刊朝日
 政治家の世界は男社会、年功序列のイメージが強い。ただ、政治は年配男性だけのものではない。議員事務所でインターンを経験する学生が増えたり、議員のネット発信を見たり、若者にも少しずつ身近になってきた。就職・転職の感覚で政治家をめざす、アラサー世代の理想と現実を追った。

 関西で暮らす神谷修平さん(31)は、2019年の統一地方選への立候補を考えている。議員になるための情報を本やネットで集め、現役市議や議員志望の若者らが集まる政治塾にも6月から参加している。

 大学卒業後、京都で文化財修復の職人として働いてきた。仕事を続けるうち、日本の文化財保護政策について、自分なりの意見も持つように。政治家になって、現状を少しずつ変えていきたいと思い始めた。

「日本はたくさんの文化財があるにもかかわらず、文化財保護の予算が少ないと感じています。欧米では、日本よりはるかに多くの予算を割く国も少なくない。さらに、仕事がキツい割に従事者の給与が安いので、後継者も育たないんです」

 結婚して子どもが生まれた際、会社で初めて男性社員として育休を取った。いったん仕事を離れ、子育てをしたことも、自らのキャリアを見つめ直すきっかけになった。海外で仕事をしたいと考えた時期もあったが、今では日本で文化財保護の課題を少しずつ解決したい、と考えている。その思いを、妻も応援してくれているという。

 若手現役市議から、こんなアドバイスをもらった。

「出馬の一番のハードルは家族の理解。その点を既にクリアできているのなら、ぜひ挑戦したほうがいい」

 先輩の言葉に背中を押される思いで、今は19年への道筋を考えている。

「落選したら収入が絶たれますから、不安はあります。それでも、現場の声を政治に届けたい。何より、政治の道を志すようになって、自分が日々成長している実感があるんです」

 首都圏に住む司法修習を控えた男性(26)は、政治家をめざすきっかけとなった忘れられない経験がある。

 約10年前、都内男子高の放課後の教室。部活の部長が集まって、活動費を「取り合う」話し合いをしていた。

「バスケ部は去年、備品を買ったばかりじゃないか」

「文化系の部活でそんなに予算は要らないでしょ」

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