そればかりではない。2007年8月に当時の那覇防衛施設局(現・沖縄防衛局)が作成した「推定地層断面図」(左の図)を見ると、琉球層群という地層が大きくずれ、50メートル以上落ち込んでいるのがわかる。専門家によると「活断層の可能性が高い」という。問題を指摘した琉球大学名誉教授の加藤祐三氏(理学博士)に聞いた。

「琉球層群は数十万年前にできた地層で、それがずれているということは活断層の可能性があるということです。しかも、1回の地震で50メートルもの落差が生じるとは考えにくい。くり返し大きな地震が起き、トータルで50メートルになるようなずれが生じたと思われます。現地周辺の地上には辺野古断層と楚久断層があり、活断層の疑いがあるとされている」

 海底につながるとみられる断層のラインは基地建設予定地を横切る。もし大地震が起きたらどうなるのか。

「滑走路が壊れるだけでなく、基地には弾薬庫や燃料庫などもありますから、海が汚染されることになる。海の底で地震が起きると津波が発生してもおかしくない。私の指摘が杞憂ならばいいが、防衛省は安全性を示すデータを公表していません」(加藤氏)

 米軍は早いところ辺野古から避難したほうがいいのではないか。(本誌・亀井洋志)

週刊朝日  2017年12月1日号