老後は生活レベルの調整が重要(※写真はイメージ)
老後は生活レベルの調整が重要(※写真はイメージ)
逆算の資産準備(週刊朝日 2017年12月1日号より)
逆算の資産準備(週刊朝日 2017年12月1日号より)

 寿命は延びるばかりなのに、給料は増えない。いったい、いくらためればいいのか……。中高年なら誰でも感じたことのある不安だろう。不安は、中身がわからないからこそ募るもの。ならば明らかにしよう。老後マネーの計算法と、生活レベルに応じた準備額を。その上で、どう準備するのかを決めてほしい。

【図】60歳から90歳のマネープラン 逆算の資産準備

 ファイナンシャルプランナー(FP)の深田晶恵さんは90歳までのライフプランを推奨している。65歳までの準備期間は「掛け算と足し算」で、65歳からの使う期間は「引き算と割り算」で考えることが大切という。

「国の家計調査の取り崩し額は年間約60万円ですが、これからの負担増や年金の減額まで視野に入れると、年間100万円ほどを見積もっておくのが安全だと思います。すると65歳からの25年間で、2500万円が必要になります。これに、リフォームや病気介護への備えなどの特別支出を25年間で1千万円と見積もれば、二つを合わせて65歳で3500万円が必要になります」

 ため方は、3500万円から退職金と今ある貯蓄額を引いて「ためるべき金額」を出し、それを60歳までの年数で割って年間の目標額を出す。そこから月給とボーナスでいくらためるかの計画を作り、実行する。

「実行できないのなら、できるように支出を見直していきます。生活費や通信費、生命保険など聖域を設けずに見直しを行い、お金がたまる仕組みを作ります」

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首藤由之

首藤由之

ニュース週刊誌「AERA」編集委員。特定社会保険労務士、ファイナンシャル・プランナー(CFP🄬)。 リタイアメント・プランニングを中心に、年金など主に人生後半期のマネー関連の記事を執筆している。 著書に『「ねんきん定期便」活用法』『「貯まる人」「殖える人」が当たり前のようにやっている16のマネー 習慣』。

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