力士として輝かしい成績を残した貴乃花親方だが、実は、親方としての仕事ぶりには協会内で疑問の声が上がっている。前出の協会関係者がこう明かす。

「巡業部長としては、地方の主催者側に顔を出さなかったり、巡業が終わるのを待たずに昼前に帰ってしまうなどの問題点が報告されていた。協会としても『最近、巡業のタガが緩んでいる』と懸念していたところでこんな事件になってしまった。理事会でもほとんど発言をしないのに、議決にはことごとく反対。昨年の理事長選に負けたことがおもしろくないのかもしれないが、あまりに大人げないと、周囲は困惑している」

 貴乃花親方と協会執行部との間の確執は、今に始まったことではない。

 北の湖前理事長の死去の後、2016年3月に行われた相撲協会の理事長選では、当時、現職だった八角親方(元横綱北勝海)に対し、貴乃花親方が対抗馬として立候補。候補者を除く8人の理事による投票の結果、貴乃花親方は2対6で惨敗した。来年1月には理事選、その後に理事長選が行われることから、協会内ではこんな噂がささやかれているという。

「協会を引っ掻き回し、八角理事長を貶めようという意図があるのではないかとすら思えてしまう。前回の理事長選で“タッグ”を組んで多数派工作を行った元協会顧問のK氏と組んで、再び理事長の座を狙うつもりではないでしょうか」(協会幹部)

 貴乃花親方は奇妙な〝独り相撲〟をいつまで続けるつもりなのか。(本誌取材班)

週刊朝日2017年12月1日号より抜粋、加筆