ヒョウ[ケニア・マサイマラ国立保護区](撮影/井村淳さん)
ヒョウ[ケニア・マサイマラ国立保護区](撮影/井村淳さん)

 獰猛(どうもう)なライオンも、大平原を駆け回るヒョウも、肉食動物からの攻撃をいつも警戒しているキタキツネも、眠いときは眠い。

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「野生動物の本当の姿を残したいと思いながら、いつもファインダーを覗いています」と語るのは海外で多くの動物を撮る井村淳さん。

活発に動き回る様子は見ると楽しいが、「本当の姿とは、リラックスして寝ているときなのかもしれませんね。動物が眠る姿は、平和な時間の表れです」とは写真家の福田幸広さん。

 大自然のなかでは目を閉じて眠る時間はほんの一瞬で、実は命がけ。とはいえそんな動物たちを見ていると心和み、こちらも眠くなってしまう。最高の癒やしと言えるだろう。

動物園や野山で撮影を頻繁に行う松原卓二さんに、動物園で寝姿を上手に撮るコツを教えてもらった。

「動物園で寝姿を撮影したいなら、平日の12時から15時の間がベストです。多くは寒いと活発で、暑いと動きが鈍く、だらける傾向があるので、撮影は太陽が照りつける暑い日がおすすめ。普通のお客さんは動く姿を見たがるため、寝ている動物は素通りしてしまいます。だから、動物のいる場所を遠くから眺め、人が少ないところが狙い目。動物も人が少ないほうが、リラックスして眠れるのです」(本誌・鮎川哲也)

週刊朝日 2017年11月24日号