──ご多忙ですが、あなた自身、映画館には足を運ばれますか?

「仕事の量が多いので、映画はアップルTVやネットフリックスで見る場合が多い。でも時間があれば映画館にも行くよ。最近見た映画は『メッセージ』(原題Arrival)と『スポットライト 世紀のスクープ』。ほかにも数本、映画館で見ている」

──映画の可能性として気が付いたことは? デジタルメディアの発達で、映画の見方もずいぶん変わりましたが。

「インフォメーションの世界は現在すごく混雑していると痛感したよ。そのせいで逆に映画のような、時間の長い形態が、以前にもましてパワフルになったのではないかと思う。映画を見るとき多くの人はSNSを切る。90分以上の時間、人は深いレベルで映画の作り手と心も思考もつながるワケだ。重要なメッセージをもった良質のドキュメンタリー映画は、他のどんな媒体よりも人を説得する力があるのではないかな」

──地球温暖化を否定する人があなたの映画を批判することも多かったですが、どう対処しましたか?

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