「スギ花粉と同様、初回ではアレルギー反応が起きづらく、回数を重ねてから反応することが多いのも特徴です」

 と両国眼科クリニック院長の岩崎美紀医師は言う。外れかけた人工毛が角膜に当たり、上皮を傷つける例も後を絶たない。

「施術の質をきちんと見極めて、サロンを選んで」(岩崎医師)

 もっと身近な「化粧」にも、意外な危険が潜んでいる。アイライナーだ。「引き方」が問題だという。

「まつげの内側の粘膜を埋めるようにラインを引くと、目がぱっちりと、大きく見えます」と女性誌などで記述されることが多いが、実は、このラインの引き方は炎症を引き起こす可能性が高いという。まつげの内側の粘膜にある、油性の分泌物の出口「マイボーム腺」を埋めてしまうためだ。

「メイクで毎日、栓をし続けると、炎症を引き起こしたり、ドライアイ傾向になる可能性が高い。特に瞬きをぎゅっとする癖のある人は、ライナーの塗料が涙と混ざって溶け、目の中に入る可能性が高く、アレルギーを起こす例もあります。目のふちギリギリにラインを引くのは控えましょう」(前出の荒井医師)

 良かれと思って取り入れたそのおしゃれが、取り返しのつかない致命傷になるかもしれない。(本誌・松岡かすみ)

週刊朝日 2017年11月17日号