こうした不適切なケアによるトラブルは眼科医の処方を受けた性能の良いコンタクトレンズでも頻繁にみられる。

 国民生活センターによれば、コンタクトレンズによる眼障害で最も多いのが、角膜上皮に傷が生じる「表層角膜炎」。傷が広く深くなると、「角膜上皮びらん」「角膜潰瘍」へと進行するが、これらも多く見られる症例だ。さらに、ブドウ球菌や緑膿菌などの細菌によって炎症を起こす「細菌性角膜炎」や、角膜に血管が侵入し、角膜中央に向かって伸びる「角膜血管侵入」、さらに上まぶたの裏側(結膜)にブツブツの乳頭が生じる「巨大乳頭結膜炎」なども、コンタクトレンズによる症例は数多い。重症の場合、失明の可能性もある。

「目の粘膜という非常に繊細な位置にプラスチックを装着するコンタクトレンズは、そもそも危険が伴うもの。ですがそれを軽視して正しい使用法を守らずに使う例が後を絶ちません」(石岡医師)

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