夫:寂しかったんだよ、きっと。まだ30前だったし。

妻:すべてのプロセスふっとばして申し込まれてもねえ。毎回、「うん、やだ!」って返事してた。

夫:でも、最終的にはしらふで申し込んだでしょ。

妻:あれ、そういえばいつだっけ?

夫:ほら、洞窟温泉のあるところで。覚えてないの?

妻:うん。

夫:そういう大事なこと、忘れないでよ。夫婦の思い出でしょうが!

――新婚生活が始まり、やがて長女が誕生。順調にいくかと思いきや……。

妻:子どもが幼稚園のころは、全面戦争でしたね。マンションの最上階の部屋なんですけど、メゾネットになっていて、2階があるんですよ。私は生活を上に移して、完全に家庭内別居。

夫:気まずい時代でした。

妻:戦争って些細なことの蓄積で勃発するんですよ。

夫:深いなあ。

妻:ママ友の家に入り浸ってたら、すごい量の着信があるんですよ。なんで家にいないんだ!って。

夫:心配だったんだよ。

妻:こいつ、ストーカーだ!って思って。

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