そういう人は刑が確定し、どれだけ刑務所に入ったところで、厳しい指導を受けたところで、その「種」と「背骨」は変わらないのではないかと、この番組を見て強く思ってしまった。

 だとすると、やはり、大きな罪を犯した人に対して、「種」と「背骨」が変わらないということを、警察や裁判に関わる人が認識しなければいけない。

 変わらないと書いてきたが、正確には「変われない」のだと思う。

 20年、30年、刑務所で過ごしたあとに街に出る。

 絶対に変われない人たちが街に出て、暮らしているのだと思うと、やはり恐怖を感じるしかない。変われない人たちを見極め、対策を立てることはできないのだろうか? 事件が起きる前に。

週刊朝日 2017年11月10日号

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鈴木おさむ

鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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