日本の老人介護を題材に高齢社会の問題点を描く「ヘルプマン!」の舞台
日本の老人介護を題材に高齢社会の問題点を描く「ヘルプマン!」の舞台

 くさか里樹原作の「ヘルプマン!」(「ヘルプマン!!」と改め、週刊朝日で連載中)を舞台化した公演が、11月8日から12日まで俳優座劇場(東京・六本木)で上演される。

 舞台は「監査編」。県庁が舞台となり、主人公は異動で「高齢者支援課・介護サービス班」へ配属された小池一郎だ。「県民のためのヒーローになりたい」と意気込む小池だが、会議と書類提出を繰り返す現実を目の当たりにし、自分一人では何も決められない葛藤、それでも絶えない介護現場への情熱を描く。

 企画を立案し、脚本・演出を担当する、なるせゆうせいにとって、「ヘルプマン!」の舞台化は7年ぶり。なるせが介護に直面していることが、舞台実現のきっかけとなっている。昨年母を亡くし、やけ酒の父が転倒し骨折。その後、父の介護に当たっている。

 なるせは「なぜ監査に入らないといけないのか、不正に手を染めなければいけなかった現状は何だったのか。舞台ならではの付け足しをし、介護現場の群像を描いた作品になっている」と語る。

 主役の小池一郎役は、舞台「BRAVE10」の主人公や「仮面ライダー電王」で桜井侑斗/仮面ライダーゼロノスを演じた中村優一。また、元宝塚歌劇団の男役の緒月遠麻や、医師でもあり健康落語でおなじみの立川らく朝のほか、介護現場で働く俳優らも出演する。

 チケットなどの情報は、公式web(http://butai-helpman.website/)をチェック!!(本誌・前田伸也)

※週刊朝日オンライン限定記事