富女子たちに、貯蓄や投資の理由を聞けば、こんな声が次々と上がってくる。高価なブランド品を買ったり、豪邸に住んだりと、きらびやかな生活に憧れているわけでは決してない。手に入れたいのは、そこそこの生活水準と、路頭に迷わない将来。視点はあくまで、等身大の若い女性だ。

「自分の身は自分で守らなければ、という意識が特に強い世代」

 世代・トレンド評論家の牛窪恵さんは、20~30代の特徴についてこう分析する。終身雇用や年功序列が崩れ、会社にも社会にも頼れないことを肌身で感じてきた世代で、不況の時代しか知らない。

「いつどうなるかわからないという不安感が強い分、貯められるときにはしっかり貯めなければという感覚が強い。節約はもはや当たり前で、クーポンやポイントを駆使し、いかにお得に賢く節約できるかをゲーム感覚で楽しんでいる世代でもあります」

 結婚相手に「養ってほしい」と考えていないことも、昨今の女子たちの特徴だ。富女子会に集まる女子たちも一様に、結婚相手は「自分より年収が低くても構わない」と発言する。

「普通に働いていてさえくれれば、相手の収入にはこだわりません。相手に頼らなくてもいいように、自分でお金のスキルを磨けばいい。そのためにも、お金について真剣に話せる仲間の存在は不可欠なんです」(木村さん)

 お金で少しでも安心感を得たい──。先行きが不透明な今の時代、就職しても結婚しても、さらには貯蓄が1千万円を超えても、女子らの不安を拭える“確かなもの”はなかなか見当たらない。不安から女子は団結し、互いを鼓舞し、見えないゴールに向かってひたすら走る。その生き方に共感できるかどうかは別として、節約アイデアは役に立つ。イマドキの円貯め女子から学べることは大きそうだ。(本誌・松岡かすみ)

週刊朝日 2017年11月3日号より抜粋