収入が多くはない若いうちに1千万円を貯めると聞くと、爪に火をともすような節約生活を想像するが、不思議と悲愴感は皆無。富女子たちに共通するのは、節約スキルを共有して、楽しみながら貯金する「円貯め(エンタメ)」精神だ。その精神は、この会の入会者にとどまらない。お金について意見交換する場は、インターネット上にも広がっている。

 ここ1~2年でじわじわと増えているのが、SNSでの自分の家計簿の投稿。経済状況が克明に記された家計簿の写真をSNSのインスタグラムで公開し、他人の意見を募る。インスタグラムならば実名や属性を明かさずに他人と交流できることも魅力の一つだ。

 1年前に“貯蓄用”アカウントを開設した野村理恵さん(仮名・31歳・既婚・4人暮らし)も、その一人。実名のアカウントとは別に、貯蓄を殖やすための一手段として、家計簿を投稿するための匿名アカウントを作った。現在のフォロワー数は9400人に上る。実際の投稿の中から、節約技の一例を挙げてみよう。

「今月の家計、集計しました! 携帯を格安スマホに変えたら、何と8分の1の1200円に。通信状態も安定で、全くのノーストレスです。夫と私で、いきなり月1万5千円の節約になりました」

 節約アドバイザーの和田由貴さんいわく、節約の最大のポイントは、「思い込みで使っているお金をいかに洗い出せるか」。

 固定費ほど何も考えずに払いがちだが、なくても困らないものが潜んでいるケースがよく見られるという。

「なくてもいいものが当たり前になっているケースは、身の回りに意外と潜んでいるものです。面倒がらずに一度見直してみると、大幅な節約につながる可能性も少なくありません」

 野村さんの通信費もこのケースといえそうだ。これに対するコメントは1日半で62件。

「格安スマホ、どこを選びましたか? 私も変えてみようかな」「格安スマホ、気になってましたが、ノーストレスでそこまでの節約になるなんて!」

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