中国が逆輸入 江戸時代の「灸」に見る養生の知恵 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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中国が逆輸入 江戸時代の「灸」に見る養生の知恵

連載「貝原益軒 養生訓」

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週刊朝日#帯津良一
帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「死を生きる」(朝日新聞出版)など多数の著書がある

帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「死を生きる」(朝日新聞出版)など多数の著書がある

江戸時代の「灸」に見る養生の知恵(※写真はイメージ)

江戸時代の「灸」に見る養生の知恵(※写真はイメージ)

 ところが、灸はその刺激の強さによって、効果に変化が出て、瀉として使われることもあります。

 灸によって皮膚への侵襲が大きく、水疱(すいほう)やびらん、潰瘍(かいよう)が起きるような場合は瀉となります。これは、身体にわざと炎症を起こすことにより、自然治癒力を高め、その力で邪気を体の外に出すというものです。こうした、もぐさをすべて灰になるまで燃やして、皮膚に跡が残るような灸(透熱[とうねつ]灸)がスタンダードに行われますが、これは日本独特のもので中国にはありません。

 ちなみに高級なもぐさを使うと、繊細に熱を伝えて、刺激がマイルドになるため、火傷(やけど)も起こさず補の働きをすることになります。

 私の病院(帯津三敬病院)で人気があるのが「ビワ葉温灸」です。台湾の呉長新先生が行っていた、がん患者の足裏を刺激する治療法を取り入れて、私が考案しました。

 治療する臓器によって足裏のツボ(癌根[がんこん]点)を選んで、そのツボにビワの葉をあて、和紙をその上にのせて、温熱灸棒で刺激します。マイルドな補の灸です。ビワの葉に含まれる成分が皮膚から吸収されるという効果もあります。ツボさえわかれば、患者さん同士や家族にやってもらうこともできます。

週刊朝日 2017年11月3日号


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帯津良一

帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など多数の著書がある

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