ショートゲームの巧みさが長所だった石川。米ツアーを主戦場にして持ち味を失ったとも言われている。

「身体の大きな選手に囲まれて彼らが飛ばすのを見て、もっとやらなければ、自分も飛距離を出そうと、ちょっとずつ自分の形が崩れる選手が多いですからね」と冒頭のベテラン記者。

「10年前、アマチュアのときに国内ツアーを制し、2年後に賞金王になった頃の彼は、少年で怖いもの知らずでした。ゴルフはメンタルのスポーツ。失敗の記憶が年々重なりますから、下手になるのはよくある話。そこからどうするか、なんです」(前出のゴルフ記者)

 石川は予選落ち直後から「悔しいけど練習するしかない」と、翌週のブリヂストンオープンまでの4日間で2千球以上打ち込んだ。課題のドライバーのスイング改造に取り組んだというが、21日に2週連続の予選落ちが決まった。

「今年一回も切っていなかった」という髪を約20センチ切り、すっきりした。迷いを吹っ切り、いつ輝きを取り戻せるだろうか。(岸本貞司)

週刊朝日 2017年11月3日号