苦戦が続く石川遼(c)朝日新聞社
苦戦が続く石川遼(c)朝日新聞社

「あそこまで言うプロゴルファーを見たことがない。正直、こちらがびっくりしました。本人は相当悩んでいて、先が見えない状況なんでしょう」

 ベテランゴルフ記者がこう漏らすのは、石川遼選手(26)のこと。10月13日の日本オープンで国内では1年3カ月ぶりの予選落ち。「(ショットが)まっすぐ飛んでいくと、自分が一番びっくりする。まっすぐ行くほうがたまたまな感じ」と語ったのだ。

 10月初めの米男子ツアー入れ替え戦でも、悔し涙をのんだ。来季のレギュラーツアーの出場権を、本格参戦5年目にして初めて喪失。「ゴルフが下手になっている」という言葉を口にした。

 再起を懸けた国内復帰初戦が冒頭の日本オープン。初日は61位と振るわず、大会中にもかかわらずスイング改造を強行。その姿に“焦り”がにじんでいた。

 対照的に、松山英樹選手(25)は米ツアーで通算5勝をあげ、「トランプ米大統領が『(11月の)来日時には一緒にラウンドしたい』と語った」と報じられるなど明るい話題が多い。明暗が大きく分かれている。

「今やレベルが全く違うので比較が難しいですが、松山はフェアウェーをきっちりキープするのに対し、遼君はショットが曲がってもショートゲームの巧みさでリカバリーする。そこでハラハラドキドキさせてくれるのも持ち味だった(笑)。だけど、アメリカのコースは池が多く、曲げて池に入れるとアウト。遼君はそれで崩れるパターンがあって、松山のような安定感がない。負のスパイラルです」(別のゴルフ記者)

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