丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日大で活躍、アマ37冠で92年にプロ入り。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制している丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日大で活躍、アマ37冠で92年にプロ入り。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制している
丸山氏が日本オープンで優勝した池田勇太選手の戦いについて解説(※写真はイメージ)丸山氏が日本オープンで優勝した池田勇太選手の戦いについて解説(※写真はイメージ)
 プロゴルファーの丸山茂樹氏が、日本オープンで優勝した池田勇太選手の戦いについて解説する。

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 国内男子ツアーのメジャー第3戦「日本オープン選手権」(10月12~15日、岐阜関CC東コース)は、池田勇太(31)が3年ぶり2度目の優勝を飾りました。後半の2日間は、勝つことの難しさをひしひしと感じながらのラウンドになりました。

 3日目は、一時は2位に7打差をつけながら、最後の3ホールで2ボギー。日本オープンという試合の格からくる重圧があって、コースとも闘わないといけない。それに加えて、最終日は90年ぶりのアマチュア優勝を狙う金谷(かなや)拓実君(19)との一騎打ちになりました。

 まあ、これはプレッシャーでしょうね。僕自身はアマチュアの選手と優勝を争った経験がないんですけど、そりゃ絶対負けられないし、今回は東北福祉大の後輩でもあるし。相当嫌なものだと思いますよ。

 最終日はいきなり3番でOBを打って、ダブルボギー。バーディーをとって現状維持までは戻しても、貯金はできない。15番もOBを打ってボギー。でも、3度も金谷君に1打差に迫られながら、並ばせはしなかった。1打差の2位に終わった金谷君にしてみれば、1打の重みをひしひしと感じたんじゃないですか? 勇太の意地を見た気がします。いよいよツアー最終盤。どこまで成績を積み上げていけるか楽しみになってきました。

 金谷君はものすごくステディーな(安定した)ゴルファーで、マネジメント能力なんかは申し分ないと思いますね。今後、海外で戦っていけるような選手になるためにはまず、パワーをつけること。それから「これだ」という武器を持つことですね。絶対的な飛距離だとか、ショットの方向性だとか、アプローチ・パターは誰にも負けないとか。最後に頼れる武器を持ってないと厳しいです。

 
 さて、松山英樹(25)が2017-18年シーズンの初戦に臨みました。米PGAツアーの「CIMBクラシック」(10月12~15日、マレーシアのTPCクアラルンプール)で5位でした。インタビューの映像を見ると、相変わらずおもしろくなさそうにしゃべってました。ハハハ。まあ、英樹の満足するレベルはほんとに高いんで。プレーオフシリーズからプレジデンツカップときて、中1週間で体調も崩しながら臨んだことを考えても、僕はすばらしいシーズンの始まりだと思います。

 腰痛で戦列を離れているタイガー・ウッズ(41)について、アメリカでは少し前向きな報道がありました。医者から制限なしで練習を再開できるという許可を得たそうなんです。本当に継続的に練習を積み重ねて、1年間を通じてゴルフのできる体を整えていけるかどうかが、これからの課題になるでしょうね。

 タイガーがツイッターで公開した自分のドライバーショットの映像を見ましたけど、全盛期に比べると70%ぐらいしか体を使ってない感じを受けました。スイングスピードは多少ありましたけど、迫力はなかったですね。きれいにスイングしてたという印象しかない。何となくまだ怖がって、タイガーらしくパワーを使う感じじゃなくて、さらっと打ってました。いまはああいう感じで取り組むことで、腰やひざへの負担を減らしてるのかもしれないですね。

週刊朝日 2017年11月3日号

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丸山茂樹

丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

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