直木賞作家・中島京子「国民をバカにするひどさは安倍政権で底が抜けた」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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直木賞作家・中島京子「国民をバカにするひどさは安倍政権で底が抜けた」

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中島京子(なかじま・きょうこ)/1964年生まれ。出版社勤務などを経て作家に。2010年、『小さいおうち』で第143回直木賞。近著に『ゴースト』(朝日新聞出版刊)

中島京子(なかじま・きょうこ)/1964年生まれ。出版社勤務などを経て作家に。2010年、『小さいおうち』で第143回直木賞。近著に『ゴースト』(朝日新聞出版刊)

 政治に失望している中で、立憲民主党の誕生だけはうれしく思っています。枝野さんが「下から押し上げる政治」と表現していますが、震災や安保法制のときに生まれた市民の声、そしてその後の野党共闘の流れをきちんとくんでいる。枝野さんの結党会見を見た時、これまでフラストレーションがたまっていた理由が分かった気がしました。安倍首相や菅さん、「私はAI」の小池さんなど、論点ずらしで質問に答えていない会見ばかり見てきたけれど、枝野さんは記者の質問に「答えて」いた。国民をごまかそうとはしていないと感じました。

 震災前後の時期、日本人は自信を失ったと思うんです。デフレが続き、GDPは中国に抜かれ世界3位になった。福島第一原発事故で日本の技術への神話も崩れました。そんな時に、「日本はすごい。強い日本を取り戻す」と掲げる安倍さんの言葉は心地よかったのかも。そして、それが日本全体を覆う空気になってしまった。政権発足前後から、近隣諸国へのヘイトスピーチも激化しました。日本人は震災前後に持った劣等感や不安がぬぐいきれず、今でも過剰な自己肯定や他国批判を続けている。それが政権支持にもつながっているのでは。

 いつまでも風や空気で政治をさせていてはいけません。バカをだます政治は、もう終わりにしなくてはいけないんです。だから、私たち国民も「だまされるバカ」で居続けてはいけないと強く思います。(構成/本誌・直木詩帆)

週刊朝日 2017年11月3日号より加筆


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