TBSテレビ宣伝部の川鍋昌彦氏は「演技の専業ではない方と思えないほど。阿川さんが現場にいらっしゃると、雰囲気がパッと明るくなります」と話す。

 上智大の碓井広義教授(メディア文化論)は、阿川の姿を「画面が生き生きして、ドラマに“点”を打つような存在」と評する。

「視聴者は、作家・阿川さんがドラマでどう演じるのかな、とみる。俳優でない人が出演する場合、元のイメージによってフィクションから現実に引き戻されることがあります。ただ、今回の役は仕事に誇りを持ちながらみんなのために筋を通す女性で、視聴者が抱く阿川さん像とリンクする。とてもうまい起用と感じました」

 今後のドラマの見どころについて、阿川に聞くと、

「マラソン足袋の開発とは別のベクトルで、登場人物がそれぞれの立場で何かと戦っている。視聴者の方々も、その誰かの生き方に思い入れをもって見て頂けるかなと思います」

 話の展開とともに、連ドラ女優として疾走する阿川からも目が離せそうにない。(本誌・太田サトル)

週刊朝日 2017年11月3日号