飛躍とともに、気になる恋の行方(c)朝日新聞社
飛躍とともに、気になる恋の行方(c)朝日新聞社

「種目別でメダル獲得かも、とは見られていましたけど……。本人も『人生で一番いい演技だった』と言っていましたが、想像以上の結果を出しましたね」

 スポーツ紙デスクがこう語るのは、カナダで行われた体操の世界選手権、種目別女子ゆかで日本選手初、全種目を通じても63年ぶりの金メダルを獲得した村上茉愛(まい)のこと。

 五輪翌年の世界選手権は、トップクラスの選手の多くが休養時期に入る。リオ五輪種目別ゆかの金メダリストのシモーン・バイルス(米国)も欠場し、村上にとってはライバル不在。だが、“体操ニッポン”と称される男子なら当然と思われる種目別決勝に進出自体、女子では珍しく、メダル獲得、それも金と、一気に歴史を変えた感がある。

 村上のメンタル面を評価するのはアマチュアスポーツを長く取材してきたベテラン記者だ。

「個人総合は予選1位から決勝で4位。普通ならズルズルいくものですが。過去の日本の女子代表選手とはベースが違うと思います」

 どういうことか?

次のページ