小池代表と並んで支援を訴える前原代表だが… (c)朝日新聞社
小池代表と並んで支援を訴える前原代表だが… (c)朝日新聞社
政治評論家・小林吉弥×選挙プランナー・松田馨の政党別獲得議席数予測
政治評論家・小林吉弥×選挙プランナー・松田馨の政党別獲得議席数予測
【近畿ブロック】第48回衆院選の主な候補者を掲載した。所属政党の表記は、自=自民、公=公明、希=希望、立=立憲民主、共=共産、社=社民、維=日本維新の会、無=無所属。◎=有利、○=やや有利、△=当落線上、▲=追い上げれば当選の可能性も
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 近畿ブロックの注目は、滋賀1区の前県知事・嘉田由紀子氏だ。希望へ公認申請したが「排除」され無所属での出馬。現在は自民の大岡敏孝氏にリードを許している。

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「知事時代の知名度は生きており、民進票が回り、逆転する可能性も」(小林氏)

 京都2区からは民進党の分裂で男を下げた前原誠司代表が出馬する。優勢を維持するが、選挙中は地元にほとんど戻らず、希望候補者らの応援行脚中だ。

「地元の決起集会で『みなさん助けてください』と必死の形相で訴えていました。『あんな顔ははじめて見た』と、支援者も驚いていた」(前原陣営幹部)

 だが、前原包囲網は着々と進んでいる。前出のとおり、民進党の小川参院議員会長は、希望の党に合流しない見通しを示した上で、前原氏について「希望に行く人が民進党を管理するのはおかしい」と“代表クビ宣告”。小川氏の発言には、隠れた意図もある。

 民進党は選挙前まで140億円とも言われる自己資金を保有しており、新党関係者の垂涎の的。希望がこの資金に手を突っ込んでくることを警戒しているのだ。

 前原氏と寄り添う小池氏も民進党に秋波を送り始め、13日に東京都内で行った演説では、排除リスト代表格である野田佳彦前首相を「日本の政治を大きく動かした」と持ち上げた。だが、そうは問屋が卸さない。民進党参院議員はこう言う。

「今後、前原氏に党の資金は触らせない。すでに代表解任の準備も始めた」

 大阪は希望と維新の連携で、希望が候補者を立てなかったことも奏功し、地盤の維新が堅調に議席を確保しそうだ。今回は自民と維新に、立憲や共産が切り込む構図となる。

「その中で勝ち抜いてきた実績がある立憲の辻元清美氏は、リベラル層を幅広く取り込んでおり優勢に立つ」(政治評論家の小林吉弥氏)

 大阪10区は、辻元氏と維新の松浪健太氏が過去4回の選挙で交互に当選を果たし、敗れたほうが比例復活してきた。今回は希望に公認申請を求めなかったことが追い風になるのか。辻元氏に選挙戦の感触を聞いた。

「私の場合、支援者は圧倒的に女性ですが、みなさん『筋を通した』と言ってくださいます。今回は、立憲主義や民主主義が取り戻せるか、有権者が一番問われている選挙なのです」

 その半面、大阪11区では自民の佐藤ゆかり氏が維新にリードされ苦戦。岐阜、東京、大阪と国替えを繰り返してきたが、大阪ではトラブル続きだ。昨年5月、自民党前府議との間で、金銭の授受などを巡って政治資金規正法違反(虚偽記載)で互いに告発合戦を演じ、選対の士気は低下している。

 大阪16区は公明・北側一雄氏vs.立憲民主・森山浩行氏の一騎打ち。9月末の市長選に自民や民進などの推薦を受け勝利した堺市長の竹山修身氏が森山氏の応援演説に入った。

「竹山氏の勝利には民進党・連合の力が大きかったため恩返しのかたちだが、地元公明市議らは激怒している」(堺市政関係者)

 小池氏のかつての地盤・兵庫では小池氏元秘書の希望新人、野口威光氏(4区)と幾村奈応子氏(6区)がともに苦戦。小池氏も兵庫入りして追い上げを図る。(本誌・村上新太郎、小泉耕平、上田耕司、亀井洋志、直木詩帆/西岡千史)

週刊朝日 2017年10月27日号

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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