ミッツ・マングローブ「保毛尾田保毛男を狩る、分別できない人たち」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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ミッツ・マングローブ「保毛尾田保毛男を狩る、分別できない人たち」

連載「アイドルを性せ!」

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ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する

ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する

今回は「保毛尾田保毛男」騒動を取り上げる(※写真はイメージ)

今回は「保毛尾田保毛男」騒動を取り上げる(※写真はイメージ)

 岸田今日子さん演じる『お姉様』の愛情をたっぷりと受け、上品にお洒落に生きていた保毛男ちゃん。当時私も、同級生から「お前もホモなの?」と訊かれた際には、「それはあくまで噂でございます」と答えられるぐらいの優雅さを持とうと思ったものです。この切り返しの感性こそが、『踏んだウンコを好機に変えられるかどうか』のサバイバル力なのだと思います。しかしながら、中学生がその機転と勇気を持つのは難しかったことも事実。それでも私は陰口を叩かれるより、たとえ揶揄やからかいだとしても、正面切って『ホモ』だ『オカマ』だと言われ、それに立ち向かう方が『男らしい』と判断する子供でした。故に、保毛男ちゃんは、私にとって『アイドル』に成り得たのかもしれません。あくまで、『そういうホモもいる』という一例ですが。

 何はともあれ、『差別的なものに蓋をする』だけでは、何の意味もないことにそろそろ気付かないと。『多様性への理解と配慮』なんて聞き分けの良さそうな言葉を軽々しく口にするのなら、『普通じゃない人が隣にいる違和感』を、自分なりに分別し咀嚼する感性をもっと尊重し、磨かないと。

 あなたの周りにも保毛男ちゃんはたくさんいます。それはあなたの友達かもしれない。家族かもしれない。同僚かもしれない。良い人かもしれない。嫌なやつかもしれない。誰より、それはあなた自身かもしれない。そして、何より愚かで恐ろしいのは、「自分は普通だ」と信じて疑わない傲慢さや鈍感さなのではないでしょうか?

週刊朝日 2017年10月20日号


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ミッツ・マングローブ

ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する

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