投手として、160キロを投げる者はメジャーでも多くはない。打者としてもパワーは桁外れで、本人は「全打席、ホームランを狙ってスイングしてます」と言っていたらしい。

「彼の打撃練習で、フルスイングしたときの飛距離はチームメートの中田(翔)がかわいそうになるほど差があり、平均で20、30メートル違いました。球団側の配慮でしょうけど、二人は並んで打ちませんでした。“4番・投手”という最高のカードが最後まで残っていたのも、中田がむくれないように球団が気を使っていた部分もあるはず。それくらい打者・大谷もすごいんです」(前出ベテラン記者)

 メジャー移籍後は、MLBのスタンスから考えて、大谷が“侍ジャパン”のメンバーとして2020年東京五輪の野球競技に参加できる可能性は限りなくゼロに近いし、WBCに参加できる可能性も低い。

「もっともメディアは、来季は大谷を最優先にした取材態勢を取るはずで、情報量は増えます。今思えば世間の二刀流に対する期待は昨年がピークでした。メジャー移籍で舞台が変わり、また『二刀流なるか?』というところから楽しめますよ。“大谷ロス”は意外と軽く済むかもしれません」(前出デスク)

(黒田 朔)

週刊朝日 2017年10月20日号