林:私たちは安倍さんに託すしかないわけですけど……。街頭に立って署名運動でもしようかしら。

辺:トランプ氏が軍事力を行使する恐れがあるので韓国の文在寅大統領は考えがガラッと変わりましたよ。選挙期間中に「大統領になったら真っ先にピョンヤンに行く。北風ではなく太陽政策だ」と言っていたのに、実際にはワシントンに行き、「北」に圧力と制裁をかけている。羽交い締めにしてでもトランプ氏の単独行動、軍事力行使を阻止しなければいけないからです。それぐらい文大統領はいま危機感を持っています。

林:そうなんですか。

辺:日本には、米軍とその家族が何万人もいますよね。彼らの家族が本国に帰らず、今でも三沢や座間や厚木、横須賀に住んでいるのか。一度メディアが実態調査をすべきですね。

林:北朝鮮の攻撃を予知して帰国したのでは、ということですね。

辺:考えてみてください。3月ごろから突然でしょう、空襲警報、避難訓練みたいなのをやり始めたのは。

林:Jアラートですね。

辺:北朝鮮のミサイルが誤って落ちてくるかもしれないからということですけど、それが本当の理由ですかね?

林:えっ、他に理由が?

辺:失敗して落っこちるかもしれないというならば、事故の確率が高い飛行機と言われているオスプレイが飛ぶコースでも、同じようにJアラートを鳴らして避難訓練をさせてしかるべきですよ。しかし実際は、数分で北海道を通過する北朝鮮のミサイルに対してだけ鳴らしているわけでしょう。

林:そうですよね。そうするとあれは何のためなんですか。

辺:私は安倍さんが2月にトランプ氏に会ったとき、「北朝鮮を攻撃するんじゃないか」と殺気を感じたのではないかと思っているんです。だから、これは本番に備えた訓練と見ています。いざ米朝が衝突して全面戦争になると、北朝鮮は日本にミサイルを撃ち込んでくる。そのための備えをやっているんだと思いますよ。(構成 本誌・直木詩帆)

週刊朝日 2017年10月20日号より抜粋